親子に寄り添う連携支援プロジェクト

親子に寄り添う連携支援プロジェクト〜すべての子どもと家族に安心を〜
病気や障がいのある子どもとその家族は、退院後や地域での生活の中で孤立しやすく、医療・教育・福祉の支援が分断されているのが現状です。
特に医療的ケアが不要な慢性疾患や発達に課題をもつ子どもたちは、既存の制度の「谷間」に落ちやすく、保護者自身が制度を探し、つなぐという大きな負担を強いられています。
また、医療と学校の連携が医療従事者や教員の善意に依存している部分が多く、持続可能な支援体制とは言い難い状況です。
妊娠期から学齢期まで切れ目ない支援を実現するためには、
関係機関の連携と、家族の声を起点とした制度設計が不可欠です。
どんな子どもにも、どんな家族にも、安心して暮らせる社会を
病気や障害のある子どもとその家族は、退院後や地域での暮らしの中で、さまざまな「壁」に直面します。
たとえば──
「制度が複雑すぎて、どこに相談すればいいかわからない」
「学校に体調や症状を伝えるのが難しい」
「医療と教育がつながりが少ない」
そんな声を、私たちは何度も耳にしてきました。
支援の谷間に置かれているのは、医療的ケア児だけではありません。慢性疾患や発達特性のある子どもたちもまた、制度の狭間で孤立しがちです。
家族と現場の声を起点に、制度と仕組みをつなぎ直す
このプロジェクトは、「当事者家族の声」と「現場の声」から始まります。
妊娠期から出産後、そして保育園・学校・地域生活へ──
切れ目のない支援と、誰も取り残さない仕組みづくりを目指して、医療・教育・福祉・地域の関係者が連携し、新しい支援体制のモデルを構築していきます。
本プロジェクトの目的
- 医療・福祉・教育・地域が連携する支援体制の構築
- 妊娠期から切れ目ない伴走支援の実現
- 当事者や現場の声を反映した政策提言
- 地域や学校における具体的な受け入れの推進
主な実施内容
(1)当事者の声を可視化・発信
家族・子どもへのインタビューや座談会の実施
制度の隙間や困りごとの集約
ウェブ記事・冊子・動画による発信
(2)制度への提言・アドボカシー活動
医療・教育・保健・行政向け提言書の作成
賛同団体との連携/国・自治体・メディアへの働きかけ
記者会見や勉強会を通じた政策提言・啓発
(3)関係者向けの研修・講座
医療者(小児科医・保健師・MSW等)向け連携研修
教員・保育士向け疾患・障害理解研修
保護者・支援者向けのオープン講座開催
(4)運営体制・支援モデルの構築
「子ども版ケアマネージャー」「多職種連携会議」などの仕組み化
モデル自治体での実証実験と共有
報酬制度、人員配置、業務フローの提案
(5)学校・園におけるガイドライン作成
疾患別配慮事項、緊急対応フロー、個別支援計画支援
教職員向けマニュアルの配布
モデル校での試行と効果検証後、全国展開
主催運営者
共同推進:
・小児科医・産婦人科医を中心とした専門チーム、
協力:
・医師、看護師、MSW、保健師、教員、教育関係者、支援団体等
本プロジェクトに関するお問い合わせ、協働、ご支援につきましてはご遠慮なくご連絡いただけましたら幸いです。

(淀川キリスト教病院産婦人科医長) 産婦人科専門医・指導医 周産期母体・胎児専門医・指導医 性差医学・医療 認定医
